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| 加能 作次郎(かのう さくじろう) Sakujirou Kanou(1885-1941) 小説家/翻訳家/編集者
大正から昭和にかけて活躍した小説家。 早稲田大学在学中に「ホトトギス」に掲載された「厄年」でみとめられる。 田山花袋に師事。 博文館に入社し「文章世界」の編集にたずさわる。 1918年「世の中へ」で文壇的地位を確立。 1941年急性肺炎のため逝去。
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| 1885(明治18)年 1月10日、石川県羽咋郡西海村風戸(現・志賀町西海風戸)に浅次郎、はいの子として生まれる。 ※明治19年誕生説もあり。 1886(明治19)年 実母・はいが死去。 1887(明治20)年 父、浅野ゆうと再婚する。 1891(明治24)年 西海尋常小学校に入学。 1895(明治28)年 富来高等小学校へ入学。 1897(明治30)年 雑誌「小国民」に投稿した作品が掲載される。 1898(明治31)年 京都の伯父・入江万次郎をたより京都へ。 1900(明治33)年 伯父が死去。 1902(明治35)年 大阪郵便電信局の臨時通信事務員となる。 1903(明治36)年 帰郷、西海村役場の臨時雇書記となる。 11月に検定試験に合格して準教員の免状取得、12月羽咋郡柳瀬尋常小学校の準教員として勤務。 1904(明治37)年 鹿島郡中島町の釶打尋常高等小学校に転任。 1905(明治38)年 上京、国民英学校に通学。 1907(明治40)年 早稲田大学文学科高等予科に入学。 1908(明治41)年 早稲田大学文学部英文科に入学。 1910(明治43)年 処女作「恭三の父」を「ホトトギス」に発表。 1911(明治44)年 早稲田大学を卒業、早稲田大学出版部に入る。 1913(大正 2)年 博文館編集部に入る。 1914(大正 3)年 羽咋郡稗造村田中(現・羽咋郡志賀町田中)浄法寺の長女・島田房野と結婚。 1917(大正 6)年 「文章世界」の編集主任となる。 1918(大正 7)年 「世の中へ」を「読売新聞」紙にて連載開始。 1919(大正 8)年 『世の中へ』新潮社から発刊。 1920(大正 9)年 『若き日』を新潮社から、『厄年』を博文館から発刊。 1921(大正10)年 博文館を退社。 1923(大正12)年 『幸福へ』新潮社から発刊。 1925(大正14)年 『弱過ぎる』新潮社から発刊。 1936(昭和11)年 父・浅次郎逝去、帰郷(最後の帰郷となる) 1941(昭和16)年 8月5日、『乳の匂ひ』校正後に発病、急性肺炎で死去。 8月20日、『乳の匂ひ』牧野書店より発刊。 10月、絶筆として「心境」が「中央公論」掲載される。 11月、宇野浩二らの斡旋で『世の中へ』が桜井書店から発刊される。また同月『このわた集』が発刊される。 1952(昭和27)年 生地(西海)周辺の有志により、作次郎文学碑建立のため、『このわた集』が発刊される。 8月、加能作次郎文学碑建立。 1957(昭和32)年 第1回加能文学顕彰作文コンクール実施。 1985(昭和60)年 加能作次郎生誕百年を機会に加能作次郎文学賞が制定。 9月、『加能作次郎選集』加能作次郎生誕百年祭実行委員会から発刊。 11月、加能作次郎生誕百年祭開催。 2004(平成16)年 『加能作次郎集』加能作次郎の会編が富来図書館から発刊。 2007(平成19)年 「作次郎ふるさと記念館」開館。 2011(平成23)年 『美しき作家 加能作次郎』志賀町立図書館から発刊。 2014(平成26)年 『加能作次郎作品集 1』志賀町立図書館から発刊。
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著書 | ・『世の中へ』 新潮社 1919年 ・『霰の音』(新進作家叢書20)新潮社 1919年 ・『寂しき路』 聚英閣 1920年 ・『支那人の娘』(現代傑作選集五編)學藝書院 1920年 ・『若き日』 新潮社 1920年 ・『厄年』 博文館 1920年 ・『誘惑』 金星堂 1921年 ・『小夜子』 新潮社 1921年 ・『處女時代』 天佑社 1921年 ・『傷ける群』 新潮社 1921年 ・『恭三の父』(金星堂名作叢書17) 金星堂 1922年 ・『世の中へ』(中編小説叢書3) 新潮社 1919年 ・『微光』 愛文閣 1922年 ・『祖母』(金星堂名作叢書18) 金星堂 1922年 ・『これから』(近代名著文庫第二十四篇) 近代名著文庫刊行會 1923年 ・『幸福へ』 新潮社 1923年 ・『一人の女』大阪毎日新聞社 1923年 ・『弱過ぎる』(短篇シリーズ7) 新潮社 1925年 ・『乳の匂ひ』 牧野書店 1941年 ・『世の中へ』 櫻井書房 1941年 ・『小品随筆 このわた集 』 大理書房 1941年 ・『このわた集』富来郷土文化懇話会 1952年 ・『加能作次郎選集』 加能作次郎生誕百年祭実行委員会 1985年 ・『加能作次郎集』 富来町立図書館 2004年 ・『世の中へ・乳の匂い』(講談社文芸文庫)講談社 2007年
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| ・『三つの死』(海外文藝叢書第四篇)トルストイ 海外文芸社 1913年 ・『アウグスト・ストリンドベルヒ』(近代評傅叢書I』 中興館書店 1914年 ・『手負の鴨』(世界少女文學第七編)イプセン 博文館 1914年 ・『青春の日』(ノーベル賞文學叢書10)シェンキウィッチ 今日の問題社 1942年
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| ・作次郎ふるさと記念館 :石川県羽咋郡志賀町富来領家町甲の10番地 ・加能作次郎文学碑 :石川県羽咋郡志賀町西海風戸
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