松尾神社は承和元年(834年)に山城国松尾神社より勧請されたと伝えられ、大山咋命、玉依比売命を祀り、古くから松尾大明神として崇拝されてきました。
本殿は一間社流造で古い形式をよく残しており、構造・手法から室町時代末期の建立と推察されます。また、御正躰の松尾大明神懸仏には永禄2年(1559年)と銘打たれており、同時期のものと考えられています。
懸仏とは、銅や木などの円板上に仏像などをあらわし、柱や壁にかけて礼拝するためのものです。平安時代に登場し、鎌倉・室町時代に盛んに作られるようになりました。
この6面ひと揃えの懸仏は高爪神社の御正躰であったものであり、それぞれの表面には墨線で本地仏が描かれ、朱・緑・青・黄土などで彩色が施されており、きわめてめずらしい形式です。
また、裏面には中央に神名、左に願主名、右に建治元年(1275年)9月9日の年紀が記されており、中世の高爪信仰を知る上で大変重要な文化財です。
国が指定する文化財等の確認はこちら